パソコンの画面に関係する故障で一番多い症状は『液晶パネル割れ』二番目に多いものは『画面に何も映らない』といった症状です。
パソコンの画面が見えないと、操作ができず作業が進まなくなってしまいます。これから、パソコンの液晶が壊れてしまった時にやってはいけないことをご説明します。
目次
液晶(液晶パネル)が割れる原因
割れた液晶パネル
液晶が破損する原因で最も多いのは、落下やぶつけるなどの衝撃によるものです。
【ノートパソコンの場合】
- キーボードの上に物を置いて画面を閉じてしまった
- 手から滑り落ちてしまった
- 通勤通学中に転んでしまった
- 子供が画面を叩いた、踏んでしまった
- ノートパソコンの上に重たいものを置いた
- 書類や荷物がたくさん入ったバックの中にパソコンを入れ、満員電車で押されてしまった
- 猫がパソコンの上に乗ってしまった
- ゲームに負けて叩いてしまった
などが多い理由となります。
近年のノートパソコン(ウルトラブック)は薄型軽量化した反面、強度が低くなっています。
意外に多いのですが、何もしていないのにパソコンを開けたら画面が割れていたというケースもあります。この場合、以前どこかで圧迫や衝撃を受けていたパソコンが、日々の作業で破損したと考えられます。
【一体型パソコンの場合】
- 倒してしまった
- 物がぶつかった
掃除をしている最中に倒れてしまったという事例が多くあります。
液晶が表示不良を起こす原因
液晶が表示不良
- ケーブルの故障
- 液晶パネルの故障
- バックライト、インバーターの故障
- その他のハードウェア故障
(マザーボード、メモリ、グラフィックボード、通電不良など) - ソフトウェア(グラフィックドライバなど)の不具合
液晶表示不良の場合、液晶割れと違って原因の切り分けが難しくなります。
パソコンの液晶が表示されないときや割れたときにやってはいけないこと
【パソコンをたたかない】(表示不良の場合)
昔のテレビと違って、パソコンの液晶割れや表示不良は叩いて直ることはほぼありません。
むしろ叩くと症状が悪化する可能性があります。
パソコンは叩かず、そっとしておきましょう。
【破損面を手で触らない】(液晶割れの場合)
液晶割れの場合、破損個所が高熱になっている場合があります。
やけどする恐れがあり非常に危険ですので、触ってはいけません。
【アップデート中などに強制終了しない】
液晶破損や表示不良を起こすと、画面が見えなくなるので操作が難しくなります。そうなると、電源ボタンでの強制終了をするしかない場合もあります。
ハードディスクは非常に精密な機器ですので、データの読み書き中に不用意に電源を落としたり(強制終了)すると、故障につながります。
このようなことを理解したうえで、”ディスクのアクセス中には電源を切らない”ようにしないといけません。
ハードディスクのアクセス中には”アクセスランプ”が点滅します。
機器によってアクセスランプの場所は違いますが、パソコンの起動中点滅しているLEDがアクセスランプです。
パソコンが完全にフリーズしている場合、アクセスランプは消灯しています。
※システムハングアップと呼ばれる状態
マウスやキーボードの操作も一切反応ない場合、電源スイッチを約10秒押し続ければ強制的にパソコンの電源を切ることができます。
この場合、ハードディスクにかかるダメージは少なくなります。
アクセスランプが点滅・点灯している時はデータの読み書きがされているため、強制終了をかけるとハードディスクを痛めてしまいます。
なるべく強制シャットダウンはしないようにしましょう。また、アップデート中やデータのコピー中はハードディスクへのアクセスが特に激しくなります。アップデート中は触らず、終わるまで何もせず待ちましょう。
【電源のオン・オフを繰りかえさない】
ハードディスクはアクセス中に突然電源を切られると故障につながります。
画面に何も表示されないからといって、何度もパソコンの電源をオンにしたりオフにしたりしないようにしましょう。
【自分で分解しない】
パソコンは数多くの精密部品で構成されており、知識がない状態で分解すると元通りにならなくなる危険があります。
また、機種によっては専用の工具が必要な場合があり、適合しない工具を使用するとネジ山をつぶしてしまったり、コネクタが破損したりして状態がより悪くなってしまう可能性が高いです。
実際に「自分で修理しようとして分解してみたが、直せず悪化してしまった」と修理をご依頼されるお客様もいらっしゃいます。
パソコンが壊れた時は自分で修理せず、信頼のおける技術をもった修理業者やメーカー修理に出しましょう。
液晶割れの場合の対処法
【外部モニターに接続してみる】
一般的なWindowsのノートパソコンの場合、多くが外部モニター接続端子を搭載しています。
外部モニター接続端子
液晶割れが全体に広がってしまい、表示が見えない場合はパソコンの外部モニター接続端子から、外部モニターに出力してみます。
外部出力がうまくできれば、液晶が割れていても操作が可能です。
モニターやテレビがあれば、VGAケーブルやHDMIケーブルでの接続をお試しください。
VGAケーブルやHDMIは以下のような端子のケーブルです。
通販や家電量販店で購入可能です。
なお、一体型パソコンの場合は基本的に外部出力機能がありません。
その場合、USB-VGA変換ケーブルが必要になります。
また、タッチパネル搭載モデルのパソコンは、液晶が割れるとタッチパネルが暴走してしまうため、操作不可となる場合が多いです。修理をご検討下さい。
ウィンドウズ変換アダブタ
※左からVGAケーブル、HDMIケーブル、USB-VGAアダプタ
(外部モニターへの出力方法はメーカーによって異なる場合がありますので、取扱い説明書でご確認ください。)
【Apple MacBookの場合】
MacBook Air、MacBook Pro 2015以前の場合、VGAケーブルとThunderbolt-VGA変換アダプタが必要になります。
※MacBook Pro 2015以前はHDMIケーブルでの出力も可能です。
MacBook Retina、MacBook Pro 2016以降はVGAケーブルとUSB-C – VGA変換アダプタが必要になります。
これらの変換アダプタは通販で購入できます。
MAC変換アダブタ
※左がThunderbolt-VGA変換アダプタ、右がUSB-C – VGA変換アダプタ
Macの場合、ケーブルをつなぐとすぐに出力がされます。
Macの外部ディスプレイ出力方法は公式サポートページがありますので、ご参考ください。
参考ページ Mac で外付けのモニタを使う
https://support.apple.com/ja-jp/HT202351
外部出力で表示されたら、重要なデータだけでもUSBメモリや外付けHDDにコピーしておきましょう。
ディスプレイ表示不良の場合の対処法
(1)一時的にパソコンの調子が悪いだけかもしれません。
「放電」を試してみましょう。
電源が入っている場合は電源ボタンを5秒以上押してシャットダウンします。
電源ケーブル、ACアダプタ、バッテリーを「取扱い説明書」に従い外します。
※一体型パソコンの場合、バッテリーはありません
そのまま5分から10分程、放置します。
再びバッテリー、ACアダプタ、電源ケーブルをつなぎます。
これでパソコンが起動すれば一時的な不調ということになります。
(2)外部モニターに接続してみる
上記【ディスプレイ割れの場合の対処法】に記載の外部モニターへの接続をお試しください。
修理の検討材料
液晶割れや表示不良が発生したとき、修理が必要となりますが、場合によっては買い替えもお考え下さい。判断材料としては、パソコンの性能や使用年数、バックアップの可否、既存環境の重要性があげられます。下記、ご参考の上、修理をご検討下さい。宜しければ弊社にてご対応しておりますのでお気軽にお問合せ下さい。
【修理をお勧め】
- パソコンの性能が高い場合(i5、i7)
- 使用年数が短い場合(~3年以内)
- データが必要かつバックアップがない、取れない場合
- 既存環境を残したまま使用したい場合
【買い替えをお勧め】
- パソコンの性能が低い場合(celeron)
- 10年近く使用されている場合(os:xp~7)
- データが不必要、もしくはバックアップがある、取れた場合
- 既存環境を残す必要が無い場合
こういった事態に備えるために
液晶割れや表示不良が発生したとき、データは無事である場合が多いです。
ですが万が一のために、データは日ごろからバックアップすることをおすすめします。
現在はDropBoxやOneDrive、Google Driveといった無料のクラウドサービスがあり、バックアップ用外付けハードディスクが非常に手ごろな価格になっています。
メーカー修理に出すときも、パソコン修理業者に依頼するときもデータのバックアップは必要です。
また、パソコンを買い替えて新しいパソコンにデータを移行するときも、バックアップがある方がスムーズに移行が進みます。
データのバックアップは日ごろから取っておくことをお勧めします。