メモリ
パソコンの動作性能に関わってくる要素であるCPUとメモリー。
どちらも性能がいいことに越したことはありませんが、既にあるパソコンの性能をあげるためには買い替えが必要だったりもしますね。
ですがCPUは値が張るものです。そう簡単には手が出せません。
簡単にPCの性能を向上させる方法として、一般的なものがメモリー増設ですが、増設してPCが動かなくなることもあります。
今回はメモリー増設によって動かなくなる原因を解説します。
メモリー増設をする意味
メモリー増設に関しての原因を説明する前に、何故メモリー増設をするのかを軽くおさらいしましょう。
パソコンの性能を大きく左右するものがCPUとグラフィックボードです、前者は基本的な処理を行う機能に関わり、グラフィックボードは表示する映像に関係する機能に関わってきます。
しかし、どちらも最新のものを用意しようとすると数万円から10万円近くまで必要になってきます。これでは気軽に買い替えなんてできません。
また、パソコンの根幹的機能に関わる部分としてメモリーがありますが、これは処理したデータを置く場所と考えましょう。
CPUとメモリーの関係性を料理で例えると、高性能なCPUは優秀なコックで、メモリーは料理を並べる机です。優秀なコックは素早く素晴らしい料理を作る事ができますが、机が狭ければ折角できた料理を一度に並べられず、作った料理が順番待ちになったり次の調理に移れなくなります。
そこで、メモリーを増設=机を増やすことでより多く料理を並べられるというわけです。
料理をデータに置き換える事でCPUとメモリーの関係性の説明になります。
いくら高性能なCPUを積んでいても、メモリーが少ないと活かせないということですね。
メモリーの増設方法は案外簡単で、初心者でも説明書片手にできます。
メモリー増設で動かないトラブルその1
メモリー増設を行った際に動かなくなる第一の原因は、相性のトラブルです。
機械同士にも相性というものがあり、これが合っていないと上手く認識してくれません。
しかし、メジャーチップと呼ばれるメモリーを用いて増設する場合などだと、ほとんど起きません。
ではどういった状態で発生するトラブルなのでしょうか?
答えは簡単です。メジャーチップ以外のメモリーを用いた場合です。
メモリーといえばバッファロー製が有名ですが、その理由も高い品質とメジャーチップであるからです。
メーカー製パソコンや自作パソコンに増設する時に、相性の問題でメモリーが認識されず、起動しないといった事態は珍しくありません。
増設トラブルの原因その2
メモリーとパソコンの規格があっているか確認しましょう。メモリーにも種類があります。
そして機械は相性の他にもそもそも適合する規格というものが決められており、正しい規格にそった機器でなければそもそも認識しません。
最近では、低電圧対応のメモリーでないと、使用できない場合もありますので、注意が必要です。
そのため、メモリー増設の際はまず対応メモリーかどうかを確認する必要があります。
メーカー製パソコンは搭載しているメモリーのメーカーを参照し、自作パソコンなら使用するマザーボードに対応した規格を見つけましょう。
また、同じシリーズでも細かいバリエーション違いがあったりするので、それらの違いもしっかり確認しておかないと、こっちのバリエーションは認識するけどこっちは規格外だったという別のトラブルも起きてしまいます。
増設トラブルの原因その3
BIOSの設定によるトラブルもよくあります。
BIOSとはバイオスと言い、自作PCに関する経験や知識のある方ならご存知だと思います。
これはOSではなくPC側、マザーボードに搭載されているプログラムで、OSを介さずにハードウェアやマウスなどの管理を行うことができます。
自作PCを組んでいく上で、BIOSがなければ他の機器をインストールしたりできません。
勿論メーカー製のPCにもBIOSは搭載されており、パソコンを起動した際に特定のキーを押すとBIOSの設定画面が表示されます。
この特定のキーはメーカーによって異なることもあるので、ご確認ください。
メモリー増設の際に起動しなくなるのは、このBIOSの設定が何らかの形で干渉しているという可能性もあります。
その時はBIOSを一度リセットしたり、メーカーから提供されているアップデーターでアップデートすると解決するでしょう。
増設トラブルの原因その4
装着そのものがちゃんとできていないというトラブルもよくあります。
例えばメモリーを差す際にスロットに埃が入っていたり、しっかりと認識するまでハマっていなかったりというミスなどです。
起動しないと思ったら、まずちゃんと接続できているかを確認しましょう。
増設トラブルの原因その5
原因その5は不良によるトラブル。
メモリーやパソコンは機械なので、製造段階で何らかの不良が発生している事もありえます。
俗に言う初期不良ですが、それによって起動しなくなったり、ブルースクリーンエラーが発生したりします。
この不良トラブルはメモリーとスロット両方にありえる事で、どちらの不良であるかは複数スロットがある場合であれば簡単に判別できます。
どちらかのスロットで認識できるのであれば、認識しないスロットが故障しているという事になり、どちらのスロットも反応しないのであれば、メモリー側が故障しているということになります。
また、メモリーの不良であればスロットが認識してさえいればエラーを吐き出しますが、スロットの不良の場合そもそも認識できない事が多く、そのまま起動はしたけれど実際は認識していないから増設できていないことも考えられます。
空きスロットが1つしか無い場合でも、エラーを吐き出すのであれば大抵はメモリーの方に問題があります。
まとめ
以上が、メモリー増設の際に発生する起動しないというトラブルの原因についての解説です。
最後に補足となりますが、メモリー増設に限らず、PCの内部に触れる場合は静電気を発生させないようにしましょう。
直接の汚れ程度では故障の原因になりにくいのですが、静電気はパソコンが壊れるトラブルとなり注意が必要です。
素手で触れるつもりならば予め金属に触れて静電気を逃しておいたり、静電気が発生しない手袋を着用の上で作業に取り掛かるといいでしょう。